WordPressおすすめサーバーの選び方ガイド:ポイントや注意点を解説

WordPressを利用する際には、適切なサーバーの選択が非常に重要です。適切なサーバーを選ぶことで、サイトのパフォーマンスを向上させたり、セキュリティを強化したりすることができます。しかし、サーバーの選び方や注意点は初心者にとっては分かりにくいものです。そこで本記事では、WordPressおすすめサーバーの選び方について、ポイントや注意点を解説していきます。

サーバーの選び方と注意点

Webサイトを運営する上で、サーバーは重要な要素の一つです。しかし、初めてサーバーを選ぶ場合、どのような基準で選べばよいのか分からないという方も多いかもしれません。また、安価なサーバーを選ぶことでコストを抑えたいという方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、サーバーの選び方や注意点について解説します。

・スペック
運営するサイトの規模やトラフィック量に合わせて、適切なスペックを選びましょう。WordPressはサーバーサイドで実行されるプログラミング言語「PHP」で動作しています。通常のHTML/CSSでコーディングしたサイトを表示するよりも、サーバーに負荷がかかるということを認識した上で、スペックを検討しましょう。

・セキュリティ対策
サーバー側とWordPress側の両方で適切なセキュリティ対策を行うことで、セキュリティを強化しましょう。名の知れたレンタルサーバーであれば、サーバー側のセキュリティ対策は既にされていて、VPSなどの場合に限り自分でセキュリティ対策をしましょう。WordPress側のセキュリティ対策は基本的には既存のプラグインで対応できます。

・高速化対策
サイトの高速化は、SEOにも直結する重要なポイントです。サーバー側とWordPress側の両方で、高速化対策を行いましょう。ただし、この高速化対策についてはサーバーのスペックに依存する部分が大きいので、まずは運営するサイトの規模やトラフィック量に見合ったスペックを選ぶことが大切です。

・SSL証明書の導入
SSL証明書の導入は、サイトのセキュリティ強化に必要な要素です。今時、ブラウザに鍵マークがついていないサイトは少ないと思います。httpでしか閲覧できないサイトは信用を失いかねないので、SSL証明書の導入は第一優先で対応しましょう。

・バックアップ
万が一の際に備えて、適切なバックアップを行いましょう。サーバー側とWordPress側の両方で、バックアップを行うことをおすすめします。本記事内で、バックアップの方法について解説しています。

・データ移行
よくあるケースとして、既にWordPressでサイトを運営していて、サーバーを移転したいといった場合に、データ移行の作業が必要になります。そのレンタルサーバーのコントロールパネル等がわかりやすいUIになっているかなども、サーバー選びをするにあたって大切な要素です。

スペックのポイント

まずは、サーバーのスペックに注目しましょう。以下のポイントを確認することが大切です。

・CPUやメモリ、ストレージの重要性
サーバーのCPUやメモリ、ストレージのスペックが高いほど、サイトのパフォーマンスを向上させることができます。

・トラフィック制限の有無
トラフィック制限があると、急激なアクセス増加に対応できず、サイトがダウンすることがあります。制限のないサーバーを選ぶことが重要です。

・バックアップの頻度や方法
バックアップの頻度や方法によって、データの復旧がしやすくなります。また、万が一の際にはバックアップがあることで安心感があります。

セキュリティ対策

サイトのセキュリティ対策は、非常に重要です。以下のポイントに注目して、適切なセキュリティ対策を行いましょう。

・サーバー側のセキュリティ対策
サーバー側でのセキュリティ対策には、ファイアウォールや不正アクセス防止策などがあります。

  1. ファイアウォールの設置
    ファイアウォールを設置することで、不正アクセスや攻撃からサーバーを守ることができます。ファイアウォールは、サーバー業者が提供するものや、サードパーティーが提供するものがあります。
  2. パスワードの強化
    管理者パスワードを複雑なものにすることで、不正アクセスからサーバーを守ることができます。また、パスワードの定期的な変更もセキュリティ対策の一つです。
  3. SSH接続の利用
    SSH接続を利用することで、暗号化された通信を行うことができます。SSH接続を利用することで、サーバーへの不正アクセスや情報漏えいを防止することができます。

・WordPress側のセキュリティ対策
WordPress自体にもセキュリティ上の脆弱性があります。適切なセキュリティ対策を行いましょう。

  1. WordPressの最新版を利用する
    WordPressは、定期的にセキュリティアップデートがリリースされています。最新版を利用することで、新たに発見された脆弱性からウェブサイトを守ることができます。
  2. プラグインやテーマの更新を行う
    WordPressのプラグインやテーマにも、脆弱性が存在することがあります。プラグインやテーマの更新を行うことで、脆弱性を修正し、ウェブサイトのセキュリティを強化することができます。
  3. 管理画面には強固なパスワードを設定する
    管理画面に設定するパスワードは、複雑で予測しにくいものを使用することが大切です。また、パスワードは定期的に変更することもセキュリティ対策の一つです。
  4. ログイン画面のURLを変更する
    WordPressのデフォルトのログイン画面のURLは、「/wp-admin」です。このURLを変更することで、不正アクセスからウェブサイトを守ることができます。
  5. ブルートフォース攻撃対策の導入
    ブルートフォース攻撃対策のプラグインを導入することで、不正なログイン試行をブロックすることができます。また、管理画面のログイン制限や、ログイン失敗回数の制限を設けることも有効です。
  6. WordPressデータベースのプレフィックスを変更する
    WordPressのデータベースのテーブル名には、「wp_」というプレフィックスがデフォルトで設定されています。このプレフィックスを変更することで、SQLインジェクション攻撃からウェブサイトを守ることができます。

高速化対策

サイトの高速化は、SEOにも直結する重要なポイントです。以下のポイントに注目して、高速化対策を行いましょう。

・サーバー側の高速化対策
サーバー側での高速化対策には、CDNの活用やキャッシュの最適化などがあります。

  1. キャッシュ機能の利用 キャッシュ機能を利用することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。キャッシュ機能は、サーバーやプラグインによって提供される場合があります。
  2. クラウドサーバーの利用 クラウドサーバーを利用することで、サーバーの負荷分散が行われるため、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。
  3. CDNの導入 CDN(Content Delivery Network)を導入することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。CDNを導入することで、ウェブサイトのコンテンツをユーザーがアクセスしやすい場所に配置することができます。
  4. PHPのキャッシュ機能の利用 PHPのキャッシュ機能を利用することで、サーバーの負荷を減らし、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。
  5. gzip圧縮の利用 gzip圧縮を利用することで、ウェブサイトの転送量を減らし、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。
  6. サーバーの最適化 サーバーの最適化を行うことで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。サーバーの最適化には、設定ファイルの修正や、不要なプロセスの停止などが含まれます。

・WordPress側の高速化対策
WordPress自体も高速化対策が必要です。画像の最適化やキャッシュの利用などがあります。

  1. キャッシュ機能の利用 WordPressのキャッシュ機能を利用することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。WordPressのキャッシュプラグインを導入することで、動的なコンテンツを静的なコンテンツに変換し、表示速度を高速化することができます。
  2. 不要なプラグインやテーマの削除 不要なプラグインやテーマを削除することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。また、不要なプラグインやテーマがウェブサイトのセキュリティに影響を与えることもあります。
  3. 画像の最適化 WordPressの画像の最適化を行うことで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。画像を圧縮したり、適切なサイズに調整することで、表示速度を向上させることができます。
  4. データベースの最適化 WordPressのデータベースを最適化することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。データベースを定期的にクリーンアップすることで、データベースのサイズを減らし、表示速度を向上させることができます。
  5. テーマの最適化 WordPressのテーマを最適化することで、ウェブサイトの表示速度を高速化することができます。テーマのコードを最適化することで、余分な処理を削減し、表示速度を向上させることができます。

SSL証明書の導入

SSL証明書の導入は、サイトのセキュリティ強化に必要な要素です。以下のポイントに注目して、SSL証明書を導入しましょう。

・SSL証明書とは?
SSL(Secure Sockets Layer)証明書は、ウェブサイトと訪問者のブラウザ間の通信を暗号化するための証明書です。通信内容を盗聴されることや改ざんされることを防止し、情報の漏洩や不正アクセスを防止する役割があります。重要性については以下のものが挙げられます。

  1. セキュリティ強化 SSL証明書を導入することで、ウェブサイトと訪問者のブラウザ間の通信を暗号化することができます。これにより、通信内容を盗聴されることや改ざんされることを防止し、情報の漏洩や不正アクセスを防止することができます。
  2. SEO向上 Googleは、SSL証明書を導入しているウェブサイトを優先的に検索結果に表示すると発表しています。つまり、SSL証明書を導入することで、SEO対策にも効果があるということです。
  3. ブランドイメージの向上 SSL証明書を導入することで、ウェブサイトの信頼性が向上します。訪問者は、ウェブサイトが信頼できると判断しやすくなり、ブランドイメージの向上につながるという効果があります。

・SSL証明書の導入方法
SSL証明書の導入方法を解説します。有料の証明書を導入する場合は、以下のような手順があります。

  1. SSL証明書の購入
    まずは、SSL証明書を購入する必要があります。SSL証明書は、認証局やホスティング業者などから購入することができます。
  2. SSL証明書の発行
    SSL証明書を購入したら、認証局からSSL証明書を発行してもらう必要があります。発行されたSSL証明書には、証明書ファイルと秘密鍵ファイルが含まれます。
  3. 証明書のアップロード
    サーバーにログインして、証明書ファイルと秘密鍵ファイルをアップロードします。アップロード方法は、サーバーの種類によって異なります。一般的には、cPanelやPleskなどの管理画面からアップロードすることができます。
  4. 証明書の設定変更
    証明書ファイルと秘密鍵ファイルをアップロードしたら、サーバーの設定を変更して、SSL証明書を有効にします。設定変更方法は、サーバーの種類によって異なります。一般的には、管理画面から設定変更を行います。

なお、無料の証明書(Let’s Encrypt)を導入する場合は、サーバーによって手順は異なりますが、基本的に画面操作のみで簡単にインストールできるレンタルサーバーが多いです。それぞれのヘルプをご確認ください。

バックアップ

ウェブサイトを運営する上で、バックアップは非常に重要な要素の一つです。ウェブサイトに蓄積された大量のデータを失ってしまうと、復旧することが非常に困難になるため、定期的なバックアップが必要です。ここでは、自動バックアップ機能の利用やバックアッププログラムの利用、FTPを使用したバックアップなど、サーバー側でのバックアップの取り方について説明します。

・バックアップの重要性

  1. データ復旧のため ウェブサイトには、記事や画像、データベースなど、大量のデータが蓄積されています。万が一、ウェブサイトがハッキング被害に遭った場合や、誤ってデータを消去してしまった場合、バックアップがあればデータを復旧することができます。
  2. 運用ミスの回避 ウェブサイトの運用中には、誤ってデータを削除してしまったり、誤った設定を行ってしまったりすることがあります。バックアップがあれば、運用ミスが起こった場合でも、簡単に復旧することができます。
  3. データの保全 バックアップを定期的に行うことで、ウェブサイトに蓄積されているデータを保全することができます。バックアップがなければ、データの消失や不可逆的な損失が発生する可能性があります。
  4. 災害対策 自然災害や人災などによるサーバーの停止やデータの損失が発生した場合、バックアップがあれば、別のサーバーにデータを移行することができます。災害対策の一環として、バックアップを行うことは非常に重要です。

・バックアップの取り方

  1. 自動バックアップ機能の利用 一部のサーバー業者には、自動バックアップ機能が備わっているものもあります。自動バックアップ機能を利用することで、手動でバックアップを取る手間を省くことができます。
  2. バックアッププログラムの利用 バックアッププログラムを使用することで、手動でバックアップを取ることができます。バックアッププログラムは、サーバー業者が提供するものや、サードパーティーが提供するものがあります。
  3. FTPを使用したバックアップ FTPを使用して、サーバー上のデータをダウンロードしてバックアップを取ることもできます。ただし、FTPを使用する場合は、セキュリティ上のリスクがあるため、十分に注意が必要です。

・バックアップの頻度

  1. デイリーバックアップ ウェブサイトの更新頻度が高い場合や、取引などで重要な情報がやり取りされる場合は、デイリーバックアップを行うことがおすすめです。
  2. 週次バックアップ ウェブサイトの更新頻度が低く、情報の重要性が低い場合は、週次バックアップを行うことができます。
  3. 月次バックアップ ウェブサイトの更新頻度が非常に低く、情報の重要性が低い場合は、月次バックアップを行うことができます。

データ移行

サーバーの移行やデータの移行は、WordPress運営においても必要な作業です。以下のポイントに注目して、データ移行を行いましょう。

・他のサーバーからのデータ移行方法

  1. バックアップファイルを使用した移行
    移行元のサーバーでバックアップファイルを作成し、そのファイルを移行先のサーバーにアップロードする方法です。バックアップファイルを使用する場合、ファイルのアップロードに時間がかかるため、移行には少し時間がかかることがあります。
  2. FTPを使用した移行
    移行元のサーバー上のデータをFTPを使用してダウンロードし、移行先のサーバーにアップロードする方法です。FTPを使用する場合、サイズの大きなファイルのアップロードに時間がかかるため、移行には少し時間がかかることがあります。
  3. SSHを使用した移行
    SSH(Secure Shell)を使用して、移行元のサーバーから直接データをコピーする方法です。SSHを使用することで、高速かつ安全なデータ移行が可能です。
  4. cPanelを使用した移行
    cPanelというウェブホスティング管理システムを使用して、データの移行を行うことができます。cPanelを使用する場合、移行が非常に簡単に行えるため、初心者でも簡単にデータ移行ができます。

WordPressの運営におすすめのレンタルサーバー

最後に、WordPressの運営におすすめのレンタルサーバーを5つほどご紹介します。

  1. ロリポップ!
    ・スペック:CPU 1コア、メモリ 1GB、ストレージ 10GB
    ・月額料金:1,320円(税込)〜
    ・特徴:初心者でも扱いやすく、高性能であることが特徴。
  2. エックスサーバー
    ・スペック:CPU 1コア、メモリ 1GB、ストレージ 100GB
    ・月額料金:1,980円(税込)〜
    ・特徴:高速化対策に力を入れており、SSL証明書の発行も無料で行うことができることが特徴。
  3. さくらのレンタルサーバ
    ・スペック:CPU 1コア、メモリ 1GB、ストレージ 10GB
    ・月額料金:1,080円(税込)〜
    ・特徴:高速な通信環境に加え、バックアップやセキュリティ対策にも力を入れていることが特徴。
  4. ConoHa WING
    ・スペック:CPU 2コア、メモリ 1GB、ストレージ 100GB
    ・月額料金:1,320円(税込)〜
    ・特徴:高性能なクラウド型レンタルサーバーであり、スケーラビリティに優れていることが特徴。初期費用が無料であることも特徴。
  5. ヘテムル
    ・スペック:CPU 1コア、メモリ 1GB、ストレージ 10GB
    ・月額料金:500円(税抜)〜
    ・特徴:初心者でも扱いやすく、スピードも速く、セキュリティ面もしっかりとしていることが特徴。

以上が、WordPressおすすめサーバーの選び方についてのガイドでした。スペック、ドメイン、セキュリティ対策、高速化対策、SSL証明書の導入、バックアップ、データ移行といった要素を確認して、自分に合ったサーバー選びをしましょう。適切な選択によって、サイトのパフォーマンスやセキュリティを向上させることができます。