金融市場で注目されているリップル(XRP)とは?仕組みや今後の予想について解説

仮想通貨に興味がある人なら「リップル(XRP)」を聞いたことがあるかもしれません。リップルという言葉は基本的には企業名「Ripple(リップル)社」のことで、リップル社が独自開発した仮想通貨が「XRP」です。混同しがちですがそこは覚えておきましょう。さて、そのXRPはどういった仮想通貨なのかというと、簡単に言うと銀行間の国際送金をスムーズに完了させるための「ブリッジ通貨」です。つまり銀行と銀行を繋げる通貨で、金融市場を変革させるかもしれないと注目されています。今回はそんなXRPについて詳しく解説していきます。

XRPはリップル社によって独自開発された仮想通貨

そもそも現在市場に流通している仮想通貨(暗号資産と改称されました)の大元はビットコインです。リップルもビットコインの基盤とも言える分散型台帳技術を利用して開発されました。リップルの起源は2004年にライアン・フッガー氏と言うエンジニアによって考案された「決済プロトコル」です。

この時点ではまだ新しいシステムが世に広がることはありませんでした。その後、2008年にサトシ・ナカモトと言う人物が、電子通貨システムを実現するためのコンセプトをネット上に公開しました。2009年にブロックチェーン技術を基盤とした最初のビットコインが発行されました。しかし取引時間の長さや取引承認のためのマイニングに膨大な電力を消費するなどの欠点があり、二人のエンジニアによって新しい分散型台帳技術が開発されました。

2012年には、その二人のエンジニアとフッガー氏、さらにフィンテック業界のイノベーターとも言われているクリス・ラーセン氏がプロジェクトに加わり、リップル社の前身が設立されました。こうして現在のXRP Ledgerの原型が誕生します。

XRP Ledgerは金融機関向けの国際決済を実現するために開発された

リップル・コンセンサス・レジャー(以下RCL:後のXRP Ledgerと知られる分散型台帳)は、ビットコインの弱点をカバーするコンセンサス・アルゴリズムなので、ビットコインとは異なった仮想通貨がXPRです。

取引の承認時間はビットコインの1000倍以上という速さです。これはビットコインが1つの取引完了にかかる時間が約10分に対し、RCLは1つの取引に約3秒で完了します。つまりRCLを銀行取引に利用することで、従来は時間がかかっていた国際送金でも約3秒で完了させることが可能になります。

仮想通貨を利用して法定通貨を海外へ送金しようと思うと、日本円を例えばビットコインに両替し、そのビットコインを海外にいる相手のウォレットへ送金します。その相手はそのビットコインを取引所に送金し法定通貨に両替するといった流れになります。しかしビットコインなど取引に数分、数十分以上かかる場合、取引が完了するまでに大きく価格変動するリスクがあります。

一方で約3秒で取引を完了させられるXRPなら取引中の価格変動リスクを最小限に抑えることが可能になります。またビットコインやビットコインのコンセンサス・アルゴリズムを元にしている仮想通貨は、取引手数料が跳ね上がる可能性があります。現にビットコインの取引量が爆発的に多くなった時期は、160円のミネラルウォーターをビットコインで購入すると、手数料で1,000円以上もかかってしまう事態が起きました。 価格変動のリスクが少ないことや、少額手数料を維持することが可能な点からRCLは金融機関向けの国際決済に適していると期待されています。そもそもリップル社はビットコインのように法定通貨に取って代わる電子マネーになることを目的としてはいません。あくまで金融機関を繋げて送金をスムーズに行うサポート通貨として、世界に普及させることを目指しています。

世界を繋ぐリップル・コンセンサス・レジャー(RCL)には3つの製品がある

RCLは後に「XRP Ledger」と改名されます。同プロトコルには金融機関向けの国際決済をニーズに合わせて実現するための、3つのエンタープライズ製品というものがあります。それがxCurrent、xRapid、xViaです。

xCurrent

この製品は、即時国際送金をするために銀行や金融機関が活用しているプロトコルを基盤とした法人向けのソフトウェアソリューションです。リップルネットワーク上で双方の送金メッセージやエンドツーエンドのトラッキングも実現可能です。処理効率を向上させ、運用コスト削減が期待できます。よどみなく流れる水をイメージして付けられた製品名です。取引手数料にXRPは使用されません。

xRapid

オンデマンドな流動性を提供する送金業社向けのソリューションです。送金業者による国際送金コストやかかる時間は顧客にとっては負担となっており、そういったと途上国における送金の流動性コストを低減するために開発された製品です。この製品にはXRPが使用され、金融機関が法定通貨をXRPに変換して送金し、XRPが受取側の法定通貨に変換されます。

xVia

リップルネットワークを利用している金融機関や送金業者を通じて、国際送金をしたい事業者向けのスタンダードなAPIインターフェイスです。従来のシステムは複雑で一貫性がありませんでしたが、リップルネットワークによって1つのインターフェイスに集約されます。同製品を利用することで、透明性を確保しながら送金ができ、請求書や送金情報を送信することも可能です。取引手数料にXRPは使用されません。

日本のSBIグループが米リップル社と子会社設立

リップルネットワークに注目したSBIグループが、2016年1月に米リップル社へ出資を行い、同年5月に両社は合弁会社となる「SBI Ripple Asia」を日本に設立します。同年10月には国際送金を統合する決済ネットワーク構築のための「内外為替一元化コンソーシアム」が事務局として発足されました。

三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行など大手銀行や地方銀行が参加を表明し、既に61の国内の金融機関が参加しています。そういった点もあり、日本の銀行業界とリップルはかなり深い繋がりがあると言えます。

最近では、2019年3月29日に米リップルの分散型台帳技術を活用しているSBIグループの子会社マネータップ社が、セブン銀行や住信SBIネット銀行、地方銀行など13行からの出資を受け入れたことを発表しました。マネータップ社のスマホ用送金アプリでは既に「xCurrent」を搭載し、24時間365日のリアルタイム送金を1日10万円以内なら送金手数料無料でサービスを提供しています。

まとめ

リップル社は日本だけでなく既に海外の大手銀行や送金行社と提携しており、実証実験や実際にサービスが展開しているところもあります。XRPは当初、リップル社が全て発行させ保有している仮想通貨だったので、非中央集権ではないという声もありましたが、それは既に解消されています。低コストの即時国際送金は日本というよりも海外で大変期待されており、今後の普及に注目です。また手数料の関係でXRPの価格はビットコインのように爆上げする可能性は低いですが、利用目的がはっきりしているからこそ、今後の成長が楽しみな仮想通貨と言えます。