このタイトルから始めといてあれですが、実際には、HTML5自体は廃止されていません。HTML5は、HTMLの最新バージョンであり、現在も広く使われています。ただし、ウェブ技術は常に進化しており、HTMLやその他のウェブ技術には新しい機能や改善が継続的に追加されています。
W3Cは、HTML5.1とHTML5.2というHTML5の更新版をリリースし、HTML5の機能を拡張しました。さらに、W3CはHTML5以降、HTMLのバージョン付けを止め、“Living Standard” として継続的にHTMLの仕様を更新していく方針を採用しています。これにより、HTMLは新しい機能や改善が追加されるたびにバージョン番号を付けずに進化し続けています。
このため、“HTML5″という用語は、特定のバージョンのHTMLを指すものではなく、HTMLの進化とともに拡大している概念となっています。結果として、現在のウェブ開発ではHTML5という言葉が広く使われており、現代のウェブ技術を指す一般的な言葉となっています。
そこで本記事では改めて、HTML5で出来ることをおさらいしていきたいと思います。
HTML5で出来るようになった10個の新機能
HTML(HyperText Markup Language)はウェブページの構造を記述する言語で、現在の最新バージョンはHTML5です。HTML5では、新しい要素やAPIが追加され、ウェブ開発者にとって便利な機能が提供されています。以下に、HTML5における10個の新機能を紹介します。
- セマンティック要素
HTML5では、より意味のあるマークアップが可能になりました。新しいセマンティック要素には、<header>、<nav>、<article>、<section>、<aside>、<figure>、<figcaption>、<footer>などがあります。これらの要素は、ウェブページの構造を明確にし、アクセシビリティやSEOにも寄与します。 - メディア要素
HTML5では、<audio>および<video>要素が導入されました。これにより、Flashなどのプラグインを必要とせず、簡単に音声や動画をウェブページに埋め込むことができます。また、<track>要素を使用することで、字幕や音声解説を追加できます。 - グラフィックス要素
HTML5では、2Dグラフィックスを描画するための<canvas>要素が導入されました。JavaScriptと組み合わせることで、アニメーションやゲームの開発が可能になります。また、SVG(Scalable Vector Graphics)もHTML5でネイティブにサポートされています。 - フォーム機能の強化
HTML5では、フォームの機能が大幅に強化されました。新しい入力タイプ(email、tel、number、date、timeなど)や、入力のバリデーション機能(required、pattern、min、maxなど)が追加され、ユーザー体験の向上が図られています。 - ジオロケーションAPI
HTML5では、Geolocation APIが導入されました。これにより、ユーザーの位置情報を取得し、マップやローカル情報の提供が可能になります。 - Web Storage
HTML5では、クライアントサイドでデータを永続的に保存するためのWeb Storage APIが導入されました。これにより、クッキーの代わりにローカルストレージやセッションストレージを利用できるようになります。 - Web Workers
HTML5のWeb Workers APIにより、バックグラウンドでJavaScriptを実行できるようになりました。これにより、ウェブアプリケーションのパフォーマンスが向上し、メインスレッドでの処理をブロックせずに時間のかかるタスクを実行できます。 - WebSocket API
HTML5では、リアルタイム通信を実現するためのWebSocket APIが導入されました。WebSocketを使用することで、サーバーとクライアント間の双方向通信が可能になり、リアルタイムなアプリケーションやゲームの開発が容易になります。 - Service Workers
Service Workersは、ウェブアプリケーションのパフォーマンスとオフライン対応を強化するための技術です。Service Workersは、バックグラウンドで実行されるJavaScriptのワーカーで、リソースのキャッシュやプッシュ通知などの機能を提供します。 - Progressive Web Apps (PWA)
PWAは、ウェブアプリケーションをネイティブアプリのように利用できるようにする技術です。Service WorkersやWeb App Manifestを活用し、オフライン対応、プッシュ通知、ホーム画面に追加などの機能が提供されます。
これらの最新技術を活用することで、ウェブページやアプリケーションの機能やユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。ただし、ブラウザのサポート状況や互換性に注意しながら、適切な技術を選択し実装することが重要です。